『長くて短い夏休み』　2010年9月

　７月、８月、９月。長いな〜と思っていた夏休みも、あっという間に終わってしまいました。７月は、ウイーンでの室内楽自主公演と下旬にブレゲンツへ講習会への参加がありました。８月は、念願のイタリア旅行へ。９月は、気候も良くなったので新学期からのレッスンに備えて猛？練習？？しつつ、その合間にオーストリア国内でプチ旅行ひとつと、あとは地図片手に近場を散歩したりカフェめぐりしたり。学費を振り込んで授業登録をしたら、いよいよ来月から学校が始まります。またレッスンに追われる毎日が来ると思うと…トホホ。いえいえ、がんばります！
少しだけ旅行の報告を。

　イタリア旅行は、ローマ以南４日間の旅でした。ナポリでランチ、ポンペイ遺跡、カプリ島へ渡って青の洞窟、ソレントとアマルフィで１泊ずつ。そして3日目の夕方からローマへ入り、最終日の夕方ギリギリまで市内観光して夜の飛行機で帰りました。

　ドイツ語が通じない国に行くのは、なんとなく気楽（！）。とはいえイタリア語は全く勉強したことがないので、辞書とガイドブックを肌身離さず、片手で足りるぐらいの簡単イタリア語会話をやっとのことで覚えて行きました。でもイタリア人はこちらが明るく話しかけるとみんなノリノリで返してくれるから、思った以上に会話を楽しめました。お天気にも恵まれ、そして何と言ってもご飯が美味しい♪とっても楽しい旅でした。

　どこもそれぞれとても素敵で思い出は尽きませんが、一番心に残っているのは…いつかローマに行けることがあったら絶対に行ってみたいと思っていた、ジャニコロの丘で見た満月でした。レスピーギ『ローマの松』より「ジャニコロの松」。あのソロを吹く前に思い描く景色と空気を、どうしても感じてみたかったのです。

　実際行ってみたら、現在のジャニコロの丘は若者たちの夜のたまり場と化していて、夜鶯のかわりにスピーカーから賑やかな音楽がジャカスカ鳴り響いてアララという感じ。でも、街灯の届かない暗がりのほうへ進んでいくと、なんとか静けさを得られました。そして見上げると…松の茂みの隙間から、明るい満月が高い高い空で輝いて…息をのむ美しさ。夜風と、松のかすかな匂いと、吸い込まれるような月の光に、しばし酔いしれました。いつかまたあのソロを吹ける日を、半分夢みながら…半分畏れながら…。

　９月のプチ国内旅行は、ザルツブルグの少し東、ザルツカンマーグート地方へ列車の旅。ヴォルフガング湖の湖畔から登山列車に乗って、有名なシャーフベルグ（１７８３ｍ）に登ってきました。→シャーフベルグ登山鉄道

　シャーフベルグの先っちょにはホテルがあって、上空から空撮された写真がとても有名です。先っちょの下は断崖絶壁。その下には湖がいくつも広がって、３６０度見渡す限り、山と緑と湖と空の大パノラマ。綺麗でした〜！ホテル前の、展望台のようになっている所だけは柵があるのですが、それを乗り越えて崖っぷち沿いに歩いて隣の先っちょまで行くこともできて、楽しいんだけどむちゃくちゃ危ない…レジャー感満点、澄んだ空気、マイナスイオンたっぷり、絶景かな絶景かな。すごく期待して行ったけど、それをはるかに上回る感激の旅でした。

　行きと帰りの道中、乗り換え待ちの時間を利用してブラームスも愛したというバート・イシュルの町にも寄りました。小ぢんまりとしたかわいらしい町。そして…ここに来たら絶対行こうと言っていたCafé Zaunerでウイーンでは到底お目にかかれないような美味しいケーキにもありつけて、心もお腹も大満足。お手軽日帰り旅行でしたが、冬学期の始まる前にバッチリ充電できました。

今月のお気に入りイタリア語：“Buonissimo!”（むちゃくちゃ美味しい！！）

※…と言いながら、食べ物の写真が無いのは、、食べるのに夢中でカメラそっちのけだったからです…