大阪から京都に行くには結構時間がかかるので、平日の公演は辛い。今日は駆け込んだ上に、仕事の疲れが溜まっていたようで全く集中力を欠いた状態で聴く事に・・・
始めはパスキエさんによるヴァイオリン協奏曲。繊細で柔らかな音色がとても心地よい。特に弱音に魅力がある音色だった。ただ、ソリストとしては素晴らしいものの、コンチェルト向きの奏者ではないように感じた(室内楽向き)。ソリストに遠慮気味のオケともあまり絡んでいるとは思えなかった、というか大友さんが上手くドライブできてなかった(聴き手側の集中力の方に問題ありという話も?)。何はともあれ「味のある」ヴァイオリンだったと思います。アンコールでは、パガニーニの「24の奇想曲」から1曲披露してくれた。
後半はお楽しみのラフマニノフ。何が楽しみかというと、この曲ではクラリネットが主役ともいえる大活躍をするからだ。その期待に見事に応えてくれた秀演でした。どの楽章も充実していて文句はなく、第2楽章の疾走するスピード感、第3楽章のノスタルジックな美しいメロディは特に満足でした。やっぱり第3楽章の長いクラリネットソロは圧巻でした。小谷口さんの柔らかで優しい音色が宙を漂う中、まぶたを閉じるといろんな思い出が眼に浮かんで、懐古的な感情があふれ出た。本当に涙が出る良い演奏でした。あー、この録音が欲しい。もちろんそれに続く弦楽器の調べも格別で、ゾクゾクッと来て鳥肌が立ちました。聞きなれた曲なのにこれほどまでに魅力的に表現できる京響はスゴイです。第4楽章も大友さんはオーソドックスながらも、まとまり良くシメてくれました。もうちょっと無茶してくれても面白かったんだけど。
しかし、こういうメロディアスな曲は大友さん上手いんだよなぁ。疲れた体が癒され、気持ちよく帰途につけたのでありました。
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