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2007年5月12日 京都市交響楽団
第500回定期演奏会(京都コンサートホール)

演奏曲目および評価

モーツァルト  交響曲第41番ハ長調「ジュピター」K.551
R.シュトラウス  アルプス交響曲 op.64


演奏者(指揮者・ソリスト)

管弦楽: 京都市交響楽団
指揮: 大友直人

感想・短評

記念すべき京響第500回定期演奏会♪ 自分が初めて京響を聴いたのは第401回定期演奏会だったので、自分としても100回目(全部来てないけど)となる。記念でもあるし、大規模な曲をするとあってほぼ満席の京都コンサートホール。NHKでも放送が予定されているので、7台ものテレビカメラがステージに向けて構えられていた。なかなか始まる前からドキドキの演奏会だった。

演奏に先立って、半照明の中、大友さんから挨拶があった。記念の挨拶ではなく、アシスタントコンサートマスターの岡忠継さんがなくなった報告だった。追悼の意味で、J.S.バッハの「G線上のアリア」が演奏された。演奏自体はとても沈んだ控えめな演奏。合掌。

さて、一呼吸置いて、前半のプログラム。モーツァルト・イヤーも終わったところでのモーツァルト交響曲第41番「ジュピター」。始めの3連符が速すぎの割りには重たいモーツァルトだった。あまり好みの演奏ではなかったが、第2楽章・第3楽章はヴァイオリンがとても美しく、大人なモーツァルトが楽しめた。ただ、第4楽章は全体のテンポがあってないのか、アンサンブルが乱れ気味だった気がする。晩年の作品だけど、もっと快活な表情が欲しいと思った。

後半のアルプス交響曲は非常に面白い演奏だった。この大曲、あまり演奏されないはずなんですが、生で聴くのはこれで4回目(汗)。これまでで一番良かったのはムント指揮による京響の演奏だったが、今日はそれをはるかに上回ったといっても過言ではない。始めのトランペットこそ突発的に出てしまったが、非常に遅いテンポで、夜明けを待つアルプスの山々のスケール感がものの見事に表現されていました。この曲はスケールの大きさや賑やかさで誤魔化されてしまいがち。しかし、大友さんは曲の物語性を首尾一貫して捉えていて、音楽性が非常に豊かでした。どの部分をとっても意味のあるフレーズなんですね〜。山の頂に上り詰めるまでの集中力はスゴイとさえ思いました。嵐のシーンでは金管も少し疲れ気味だったようですが、最後の木管による夕暮れは「あぁ今日も1日お疲れさん」と言いたくなるような安堵感が漂う素晴らしい出来でした。こんな多彩な表現を持った演奏にはなかなか出会えないと思います。

この演奏はCD化すべきです! 幸いにも6月に演奏会の模様がNHKで放送されるとのことなので要チェックですよ。京響の長い歴史の中で、それも500回を記念する定期演奏会として、それにふさわしい名演が聴けるとは、関西にいて良かったなぁとつくづく感じた日でした。

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