今日は京都コンサートホールで「ミュージック・フリー」が開催されているので、どちら行くか悩んだが、クラリネットを練習している身としては、やはりライスターは外せないのでこちらに来た。しかし、会場は相変わらず客足が悪く、5割強しか入っていなかったように思う。2階・3階はほとんどガラガラだ。さすがにクラ1本では入らないのか?または、ライスター人気も陰ってきているのか?クラリネットファンとしては少し寂しかった。さて、そんな演奏会だが、演奏するのは紛れもなく世界有数の実力を誇ったライスターだから期待して拝聴することに。
1曲目のR.シュトラウス。ちょっと軽い演奏に思えた。曲自体もR.シュトラウスが若いころのモノなので深みがないのかも知れないが。。。ベートーヴェンの方がいい演奏だった。時折顔を見せる古典特有の響きに心奪われる。やはり、ドイツ色の濃い曲の方がライスターは得意なんだろう。ただ、まだ本調子ではない演奏だった。
3曲目はなぜかピアノ曲が1曲。伴奏ではなくソロなので、違った弾き方で表情豊かだった。ただ、最後の音が変な響きを発していたのは調律不足なのかな?
次は「タイスの瞑想」。元々ヴァイオリンによるものなので、そのイメージが強すぎるのと、抑揚の少ないスタイルにもの足らなさを感じた。それでも、最後のヴィブラートなんかは聴かせてくれました。
もっとも今日の演奏で充実していたのはシューベルトの歌曲だと思う。ライスターの無駄を削ぎ落とした素朴な音色が、まじめなシューベルト音楽に実にマッチしていた。熟練が成せる技と言った方がよいのだろうか。こういう、癒し癒される演奏というものを自分も目指したいと思っている。
アンコールがここで1曲。レーガーの「ロマンス」。これもシューベルトに負けないほどすばらしい演奏でした。うーん、ライスターのCDを買おうかな。特別限定セットが出ているから。
後半はモーツァルト。弦楽アンサンブルも実力派のメンバーなので実に安心して聴くことができた。ライスターは前半とは全く異なったスタイルだったのが驚き。やはりソロと、アンサンブルとでは吹き方が異なるということなのか? イスに座って演奏していたのも影響しているのかも知れないが、「これがライスターだ」という音色がようやく聴けた感じがします。弦楽器と溶け合うように絡む様は天上の音楽だった。第3楽章をアンコールでも演奏してくれ、満足のいくモーツァルト演奏だったのではないかと思います。
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