先週のウィーン・フィルに続き、ウィーンの薫り高い演奏会が続く。毎年、いずみホールで開催されている「ウィーン音楽祭」だが、今まで一度も行ったことがなかった。今年は2回の公演を聴きに行くことになっている。身近なところでこんな音楽祭が開催されていたとは。。。
さて、モザイク・カルテットはガット弦を使う世界最高峰の弦楽四重奏団として名高い。ガット弦とスチール弦などの違いを意識して聴いたことがないのでどんな演奏になるのか楽しみ。最初のハイドンでガット弦がどういうモノかよく分かった。音は大きくないが、耳ざわりが実に優しい。スチール弦のキンキンした音は皆無で安心して聴いていられる。特にチェロの音色が非常に印象深いほどまろやか。2曲目のモーツァルトでは、第2楽章がガット弦の演奏のためにあるのではないのか?と思うほど曲と楽器との一体感があった。第4楽章も決して派手にならず、繊細かつ流麗な演奏でした。全楽章を通して、音を響かせるというよりは、音をそっと置いているという感じだった。頭痛がひどかったにもかかわらず心落ち着けて聴くことが出来ました(笑)。
イチバンの目当てはブラームスのクラリネット五重奏だ。マイヤーさんはオリジナル楽器ではなく、モダン楽器を使っての演奏でしたが、「ガット弦に合ったクラリネット!」というのが正直な感想。マイヤーさんはとても優しく控えめな演奏で、カルテットと完全に溶け合っていた。クラリネット五重奏ではなく弦楽五重奏を聴いているのではないかと間違うほどだ。圧巻は第2楽章かな? クラリネットの醍醐味を存分に味わうことができた。あまりウマイ演奏を聴くと自分のクラリネットが無意味なものに思えてきて少し悲しくなりますが・・・ ブラームスは少し高尚で近寄りがたい面はあるが、身近なものとして柔らかく奏でてくれた今日の演奏は意味のあるものでした。
アンコールはなんと、マイヤーさんがオリジナル楽器をつかってのモーツァルトでした。
モーツァルト クラリネット五重奏曲より第2楽章
モダン楽器よりもノイズを感じるものの素朴で優しい音色はモーツァルトにピッタリでした。しかし、モダン楽器であろうとオリジナル楽器であろうと、ソフトな音色を奏でられるマイヤーさんは素晴らしいです。マイヤーさんの妹はかの有名なザビーネ・マイヤーさんですが、兄妹でも結構演奏スタイルが異なるものですね。
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