2006年度シーズン最後の大フィル。2007年度はチケットが手に入らなかったので、当分の間の聴き納めとなるか?
今日はダブルメインの曲が並ぶ。最初はエルガーのチェロ協奏曲。何といっても、ジャン・ワンがスゴかった。決して良い席で聴いた訳じゃないのに、高級感があり深みのあるしっかりしたチェロの音色がホールを響かせていた。オケだってお構いなしに強奏しているにもかかわらずだ。オケとはあまり相性が合っていなかったように思うが、その魅力にどっぷり浸ることができた。アンコールは2曲もサービスしてくれて十二分に堪能することができた。しかし、中国にはヨーヨー・マ、趙静(チョウ・チン)など優秀なチェリストが多い。
J.S.バッハ 無伴奏チェロ組曲第5番より「アルマンド」、第4番より「サラバンド」
後半は大曲「惑星」だ。あまり全曲が演奏されることは少ないので楽しみだった。2001年に京都市交響楽団で聴いて以来だ。「火星」はゆったりしたテンポでスケールが大きかった。個人的にはもっとスピード感が欲しかった。「戦争」という雰囲気よりは「映画音楽」のような多彩な表情付けが印象的だった。大音響の後の曲はバランスがイマイチだった(「金星」や「土星」など)。特に素晴らしい出来だったのが「水星」と「天王星」。「水星」の涼感はイメージがピッタリ、「天王星」自体にイメージは持っていないが、管弦楽としての完成度は高かった。「土星」は前半バランスを欠いたが、スケールが大きく、「土星」らしさがよく目に浮かんだ。観客の誰もが楽しみにしていたのは「木星」だろう。その期待に応えてか、ちょいとベタな演奏に思った。特に有名な中間部は「これでもかっ」といわんばかり。最後の音を延ばし気味にするなど、あまり好みではなかったが楽しめた。最後の「海王星」は女声合唱が美しく決めてくれた。秋山さんは相変わらずダイナミックで、とても楽しめる演奏でした。
ところで、今日のコンサートマスターは大フィル初登場の深山さん。コンマス(長原さん?)がダウンしてしまったための代役として秋山さんが呼んできたらしい。元東京交響楽団のコンマスだけあって異彩を放ってました。急遽参加してもオケを引っ張れるのはプロ中のプロです(脱帽)。
2007年コンサートカレンダーにもどる
|